「生協の白石さん」(講談社刊)のベストセラーで一躍有名になった白石昌則さん(39)が、ついにその素顔をさらした。
学園祭でさえ、イメージが変わるかも知れないから、と気を使って人前に姿を見せず、学生や職員の中でもその素顔を見た者は少ないと言われていたが、ついに人前に姿を現した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090122-00000065-yom-soci
生協の職員をしていた東京農工大学(東京都府中市)の広報大使第1号に任命されたためだ。小畑秀文学長が22日、記者会見で発表した。
白石さんの経歴は以下の通り。東京農工大学で直接雇用されていたわけではなく、生協に就職して、東京農工大学に派遣されていたようだ。
1994年4月、「大学生協東京事業連合」(渋谷区)を通して、早稲田大の生協に就職。
2004年12月、東京農工大学の生協に移る。東京農工大学の学生が売店への要望や意見などを寄せる「一言カード」の担当となった。誠実に、時には軽妙なジョークを交えた回答が、学生のブログで紹介され、一躍有名人に。05年11月には、カードの内容と回答をまとめた本を出版した。
その後も数冊の本を出版しており、東京農工大学の生協に行けば常に置いてある。
ところが、白石さんも東京農工大学で雇用された職員ではないため、ついに異動の時期が来てしまった。そのため、せっかく、大学の広報に役立つ人材をつなぎとめておこうと、東京農工大学が知恵を絞ったのではなかろうか?
「せっかくの人材を活用したい」という東京農工大学側の要請に応じた。今後、大学のホームページに登場したり、講演会を開いたりする。
せっかくの人材なのだから、東京農工大学にいる間に広報活動をしてもらえばもっと大学の知名度も上がったのではないか?とやや残念な気もする。
また、生協の白石さんゲームでも作れば大学側も大儲けできたかも知れなかったはずだ。
東京農工大学は昨年ラスカー賞をもらった遠藤章氏を名誉教授にした。これも広報戦略の一環と思われる。最近の大学は生き残りをかけて様々な施策をしているが、こうした努力がいい学生を集めるきっかけになればいいのだが。
東京農工大学自体は歴史のある大学で、大久保利通公が創立した農学校が元になっている。今の東京大学の農学部が理論、東京農工大学が実学をやるというすみ分けだったそうだが、日本のトップの大学であることは確かである。
東大、東工大、京大出身の教員も多く、共同研究数は日本でもトップだった。産学連携にも力を入れ、東大、京大、阪大、東工大、奈良先端科学技術大学院大学に並んで、日本で6校しか選ばれない、スーパー産官学(知財本部)事業にも選ばれた。
上述のように、ラスカー賞を受賞した教員も出ているし、もちろん、遠藤章先生の弟子も今は教授として活躍されている。
また、大学院で東大の院に進む人も多い。
白石昌則さんは昨年11月「東京インターカレッジコープ」の渋谷店長に昇進したためもう東京農工大学でその姿を見ることは好くなるなるだろう。
私自身も東京農工大学に少し関係があるので、白石さんにはぜひ、新天地で活躍してほしい。白石さんは「肩ひじを張らずに、大学側に協力していきます」と語ったというので、学園祭や講演会には来て欲しいものだ。