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iPS(人工多能性幹 induced pluripotent stem)細胞特許出願公開 バイエル薬品

iPS細胞(人工多能性幹細胞、induced pluripotent stem cells)については京都大学の山中伸弥教授が特許を取得している(これは実施例から言えばマウス主体ではある)。
請求項は以下のとおり

(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体細胞から誘導多能性幹細胞を製造する方法であって、下記の4種の遺伝子:Oct3/4、Klf
4、c-Myc、及びSox2を体細胞に導入する工程を含む方法。

これに対してバイエル薬品の桜田一洋氏(当時)が山中伸弥教授よりも先にヒト由来のiPS細胞を作成し、特許出願しているのではないか?という噂があったが、特許が公開されていないことからその真偽のほどについては不明であった。

その桜田一洋氏、石川哲也氏、正木英樹氏を発明者とする特許出願が公開された(特開2008-307007)。出願人は、バイエル・シェーリング・ファーマ アクチエンゲセルシャフトである。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090104-00000022-jij-soci

出願日は2007年6月15日で、日本で公開されたということは、日本出願を基礎としてのPCT出願はされていないということだ。

その内容だが、請求項の主要な部分は下のようになっている。これを見る限り、山中伸弥教授の発明よりもかなり狭い。

桜田氏はヒト出生後の組織に存在する未分化な幹細胞を材料にしている。これに対して分化した皮膚、肝臓細胞等の体細胞からiPS細胞を誘導できる山中伸弥教授の発明の方が請求項自体の範囲は広い。

とはいえ、そもそも、山中伸弥教授の特許がヒト体細胞を権利範囲に含むかは微妙な面があり、両者は全く異なる権利範囲(山中先生の特許はマウス、桜田氏の特許出願はヒト幹細胞由来iPS)になる可能性がないわけではない。

もiPS細胞関連の特許出願は続々と公開されると予想されるが、多くの特許が乱立する可能性があることから、その特許出願戦略は非常に重要になるだろう。

バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト 桜田一洋氏らの特許出願の請求項

【特許請求の範囲】
【請求項1】
 Tert、Nanog、Oct3/4及びSox2の各遺伝子が後成的な不活性化を受けていないことを特
徴とするヒト出生後の組織に存在する未分化な幹細胞から誘導した試験管内で長期自己複
製能ならびに外胚葉、中胚葉及び内胚葉への多分化能を有するヒト多能性幹細胞。
【請求項2】
 前記ヒト出生後の組織に存在する未分化な幹細胞が初代培養又は第2継代培養されたか
あるいは低濃度血清で継代培養されたことを特徴とするヒト出生後の組織に存在する未分
化な幹細胞から誘導した請求項1に記載のヒト多能性幹細胞。
【請求項3】
 前記ヒト出生後の組織に存在する未分化な幹細胞が初代培養又は第2継代培養されたか
あるいは低濃度血清で継代培養されたことを特徴とするヒト出生後の組織に存在する未分
化な幹細胞にOct3/4、Sox2及びKlf4の3つの各遺伝子を強制発現することで誘導した請求
項1に記載のヒト多能性幹細胞。
【請求項4】
 前記ヒト出生後の組織に存在する未分化な幹細胞が初代培養又は第2継代培養されたか
あるいは低濃度血清で継代培養されたことを特徴とするヒト出生後の組織に存在する未分
化な幹細胞にOct3/4、Sox2、Klf4及びc-Mycの4つの各遺伝子を強制発現することで誘導
した請求項1に記載のヒト多能性幹細胞。
【請求項5】
 前記ヒト出生後の組織に存在する未分化な幹細胞が初代培養又は第2継代培養されたか
あるいは低濃度血清で継代培養されたことを特徴とするヒト出生後の組織に存在する未分
化な幹細胞にOct3/4、Sox2及びKlf4の3つの各遺伝子の強制発現とヒストンデアセチラー
ゼ阻害剤処理を組み合わせることで誘導した請求項1に記載のヒト多能性幹細胞。

【請求項18】
 Tert、Nanog、Oct3/4及びSox2の各遺伝子が後成的な不活性化を受けていないことを特
徴とし、Oct3/4、Sox2及びKlf4の3つの各遺伝子を強制発現することで、試験管内で長期
自己複製能ならびに外胚葉、中胚葉及び内胚葉への多分化能を有するヒト多能性幹細胞を
誘導できるヒト出生後の組織に存在する未分化な幹細胞。
【請求項19】
 Tert、Nanog、Oct3/4及びSox2の各遺伝子が後成的な不活性化を受けていないことを特
徴とし、Oct3/4、Sox2、Klf4及びc-Mycの4つの各遺伝子を強制発現することで、試験管
内で長期自己複製能ならびに外胚葉、中胚葉及び内胚葉への多分化能を有するヒト多能性
幹細胞を誘導できるヒト出生後の組織に存在する未分化な幹細胞。
【請求項20】
 Tert、Nanog、Oct3/4及びSox2の各遺伝子が後成的な不活性化を受けていないことを特
徴とし、Oct3/4、Sox2及びKlf4の3つの各遺伝子の強制発現とヒストンデアセチラーゼ阻
害剤処理を組み合わせることで、試験管内で長期自己複製能ならびに外胚葉、中胚葉及び
内胚葉への多分化能を有するヒト多能性幹細胞を誘導できるヒト出生後の組織に存在する
未分化な幹細胞。

【請求項26】
 Tert、Nanog、Oct3/4及びSox2の各遺伝子が後成的な不活性化を受けていないことを特
徴とするヒト出生後の組織に存在する未分化な幹細胞を、初代培養又は第2継代培養した
後にあるいは0から5%の低濃度血清で第3継代培養から第4継代培養した後に、Oct3/4、
Sox2及びKlf4の3つの各遺伝子を強制発現することを特徴とするヒト多能性幹細胞の誘導
方法。
【請求項27】
 前記強制発現するOct3/4、Sox2及びKlf4の3つの各遺伝子に更にc-Mycを加えた4つの
各遺伝子を強制発現することを特徴とする、請求項26に記載のヒト多能性幹細胞の誘導方
法。